家庭でもいくつかの工具を揃えておくといざというときに便利です。ドライバー(ねじ回し)はその筆頭でしょう。
ところが、改まってドライバーを買うとなるとどういったものがいいのかわからずに悩む方も多いと思います。また、ドライバーの使い方もいざとなると難しいものです。

そこでこの記事では住宅設備の専門家である僕がドライバーの選び方と使い方について解説します。なお、いわゆる精密ドライバーはこの記事では扱いません。
ドライバー(ねじ回し)の選び方
先端のサイズは複数ある!よく使うものを揃えておこう
ドライバーの先端の形状はプラスとマイナスの2種類があるのはご存知と思います。世の中に出回っているネジの9割はプラスのネジといわれていて、プラスドライバーのほうが圧倒的に使用頻度が高いのですが、マイナスドライバーもあったほうが便利ですね。
プラス・マイナスドライバーにはそれぞれ規格が決められていて複数のサイズがあります。サイズが合わないドライバーを使用するとネジを回すときにすべって危険ですし、ネジの頭が削れて(一般になめるといいます)ドライバーで回せなくなってしまいます。
プラスドライバーはネジ頭の溝の大きさに合わせてJIS規格のサイズが決められています。一般的によく使うのはNo.1とNo.2の2つです。
プラスドライバのサイズ | No.0 | No.1 | No.2 | No.3 | No.4 |
ネジの呼び径 | 1.6〜2.0 | 2.0〜2.9 | 3.0〜5.0 | 5.5〜7.0 | 7.5以上 |
マイナスドライバーは刃先の厚みと幅の組み合わせがJIS規格で決められています。一番よく使うのは刃先の幅が5.5mmのものでしょう。さらに7mmのものと、JIS規格の表にはありませんが3mm幅のものがあるとほとんどのケースをカバーできます。
刃先の厚み(mm) | 0.6 | 0.7 | 0.8 | 0.9 | 1.0 | 1.1 | 1.2 |
刃先の幅(mm) | 4.5 | 5.5 | 6.0 | 7.0 | 8.0 | 9.0 | 10.0 |
軸が短いものは避ける
ドライバーの軸の長さも様々な種類があります。短い軸のものは狭いところでは使いやすいでしょうが、通常は力が入りづらく使いにくいものとなります。
一般的にドライバーの軸の長さは10cm〜15cm程度が使いやすいでしょう。
グリップはひょうたん型がおすすめ
ドライバーのグリップは材質も形状も様々なものがあります。用途に応じて選ぶことになりますが、とりあえず一本用意するのであればひょうたん型の丸いグリップがおすすめです。
丸いグリップは押しながら回しやすいため、力が弱くても扱いやすいのです。また、指先でくるくると回すのもやりやすいため、力が要らない場合でもすばやくネジを回すことができます。
ドライバーの先端が磁化されているほうがおすすめ
日本製のドライバーの多くは先端が磁化されています。磁石のように鉄がくっつくので、ネジが先端に吸い付き落ちないので使いやすいということですね。
精度が高いドライバーは磁化されてなくてもネジの溝とピッタリあってネジが落ちないし、先端が磁化したドライバーは鉄粉などもくっついてしまうため、プロの中には磁化したドライバーを嫌う人のいるのですが、家庭で使うドライバーであれば磁化されているもののほうが良いでしょう。
ドライバー(ねじ回し)の使い方
ドライバーはサイズがあったものを使う
ネジの溝とドライバーの先端のサイズがあっていないと、ネジをうまく回せないだけでなく、すべって怪我をしたりする可能性もあって危険です。さらに、ネジの溝が削れてしまい、ネジがドライバーで回せなくなる原因にもなります。
ネジの溝にドライバーの先端を当ててみてグラグラせずに隙間なくピタッとハマるのがベストです。ピタッとハマれば回すときに滑ることはほとんどありません。
もし、サイズがよくわからないときは手元にあるドライバーで大きい方から順番に当てていき、最初に先端が溝に入ったサイズを使うようにしましょう。
ドライバーを使うコツは「押す」こと
ドライバーでネジを回すときには、回すことよりも押すことを意識するとうまく回すことができます。ネジの溝に対してしっかりと力がかかっていないと溝からドライバーの先端が外れてしまいます。
「押す力:回す力=7:3」くらいの気持ちで押すことを意識して、ドライバーをネジに対して真っ直ぐになるようにして回しましょう。
ネジが固く回らないときは無理に回さない
ネジが古くなっていると、サビたりして固くなり、固く回らなくなっていることがあります。そんなときはとにかく無理に回さないことです。
無理に回そうとすると、ネジの溝のほうが力に負けてしまい、溝が潰れることにもなりかねません。また、おもいっきり力をかけた状態で滑るととても危険です。
固いネジはドライバーを当てて、金槌などでドライバーの頭を叩いくと、衝撃でネジがゆるみ回しやすくなります。
まとめ
ドライバー(ねじ回し)は家庭でもよく使う工具のひとつです。よく使うものをいくつか用意しておくといざというときに困らないですみますよ。