子供の頃、ドラクエとかのRPGをやっていて疑問に思うことがいろいろとありませんでした?正義の味方のはずの勇者が他人の家のタンスを開けて勝手にお金や道具を持っていっていいのか?とか。定番ネタですね。
そういった疑問の一つに「鍵」がありました。
普通、鍵って1つの鍵でいろんなところが開いたりしないじゃないですか。もちろん同じ建物内とかオーナーが同じとかならマスターキーで複数のドアの錠を開けられるとかありますけど、僕の家の鍵であなたの家の玄関が開いたりしない。そんなことできたら鍵の意味がないですからね。
ところが、ドラクエだと「銀の鍵」とか「金の鍵」とかあって、それぞれ開けられる扉は違うもののいろんな建物の錠が開いちゃうんですよね。最後の鍵なんてのもあって、ここまで揃えれば世界中の扉という扉を勝手に開けることができます。
ドラクエの世界のセキュリティはどうなってるんでしょうか(^_^;)
しかし、現実でも同じようなものがあるんですよ!
それがタキゲンの200番です。なんとこの鍵1つあれば日本中の電気設備が開いてしまうのです。悪用厳禁(笑)
設備系の鍵は共通キーが多い
身近な鍵というと家の玄関とか車のキー、自転車の鍵といったものが思い浮かびますね。こういったものは同じ製品でもそれぞれ簡単なものなら何百、高性能なものでは何億パターンもの違う鍵が作られます。何億となると実質世界で唯一ですね。
こうしてたくさんのパターンを作り、どの家の玄関に、どの車のエンジンキーに、どのパターンが使われているかは用意にはわからないようになっているからセキュリティが保たれるわけです。
ところが、電気設備とかにつけられる錠は共通の鍵で開くことが多いんですよ。まぁ、中に金目のものが入ってるわけでもないし、ちょっとしたいたずら防止くらいの目的ですから、それで十分ということでしょう。
それにいろんなメンテナンス業者がいろんなビルで作業をするので業界全体で同じ鍵を使うと便利なんですよね。
僕ら電気屋にとってタキゲンの200番は最後の鍵みたいなもんだ!
共通キーといってもいくつか種類があって、よく使うものも数種類あるのですが、なかでもダントツに多いのがタキゲンの200番という鍵です。タキゲンの200番は僕ら電気屋にとって最後の鍵みたいなもんなんですよ。これがないと仕事にならないくらいの代物です。
こんなビルにあるような大きな配電盤の扉もたいていタキゲンの200番があれば開けることができます。
ビルの防災センターや管理事務所にある諸々の警報や火災報知器の扉の鍵もかなりの確率でタキゲンの200番です。
高圧電流が流れる大きな変電設備の鍵もタキゲンの200番だったりします。
なんとAmazonで数百円で手に入るような鍵でこんなにいろんなものを開けることができてしまうんです。なんてこったい!最後の鍵みたいだって思うのもなんとなくわかるでしょ?
共通キーは便利だけどやっぱり怖いこともあるよね
共通キーはメンテンナンス時を考えるととても便利なんですよ。タキゲンの200番なんてどこの電気屋でも持っているのでオーナーがわざわざ鍵を貸したりする手間も省けますしね。
でも、共通キーだと第三者が簡単に開けられるわけで、セキュリティ面ではやっぱり劣ります。いたずらといっても大きな被害が出ることもありますしね。
タキゲンの200番を借りた清掃作業員が興味本位から担当外の高圧の電気が流れる変電設備の扉を開けて感電して亡くなったという事故もあります。
とはいえ、利便性のほうが今のところは上だと思われているので、共通キーがこれだけ広く使われているのでしょうし、まぁ今後もしばらくはこの状況は変わることはないのでしょう。
まとめ
そんなわけでタキゲンの200番という鍵があれば日本中の多くの電気設備の錠が開いてしまうよって話でした。悪用厳禁!
個人的には今後もしみなさんがビルやマンションを建てることになったらタキゲンの200番じゃなくて特注の鍵を使うことをおすすめしますよ。