どうも!マンションの設備設計や管理をしているきったんです。
今年も間もなく終わり、年が明けるとすぐに1年で一番寒い時期がやってきますね。
この寒い時期に起こる住宅トラブルといえばなんと言っても水道管の破裂です。水道管の中の水が凍って膨張し、耐えきれなくなった水道管がパンクするわけです。
毎年寒波が来ると水道管がパンクしたという連絡で、対応するこちらもパンクするくらいの被害が出ます。
この記事では水道管破裂で起こる被害や原因、対策についてまとめて紹介します。
水道管の破裂で起こる被害
水道管の破裂は住宅トラブルの中でも被害が大きく、一度起きると修理も大変です。
水道管が破裂すると当然ですが水が漏れます。漏れ方が大きければ床は水浸しになりますし、床下に水が溜ると人為的に抜かない限りはなかなか乾燥せず、床が腐ってしまうこともあります。
水道管は床下など直接目に見えないところを通してあることが多く、そうした目に見えないところから漏れ出すと、床下に水が溜まって被害が拡大し、対応が難しくなってから気がつくということになります。
また、マンションやアパートなどの集合住宅では下の階に水が漏れてさらに被害が拡大します。木造アパートだけでなく鉄筋コンクリート造のマンションなどでも床下に水が溜まればほぼ間違いなく下の階に被害が出ます。
天井からビチャビチャと水が漏れるのは悲惨です。家電製品などにかかると故障も考えられます。こうした被害の補償は所有者か原因者が行うことになります。
自己所有のマンションで水漏れして下の階に被害が出たら、下の階の被害は弁償しなければいけません。賃貸住宅であれば基本的にオーナーや管理会社が対応してくれるでしょうが、もし使い方に悪いところがあったと認められれば住人が責任を負うこともありえます。
一度水道が漏れ出すとまずは被害を止めるために元栓を締めることになりますが、そうすると修理が終わるまで水道は使えません。もちろんお風呂にも入れないし、トイレの水も流せないわけです。寒波が来るといろんなところで水道管の破裂が起こるため、修理業者に依頼が殺到し、修理に時間がかかるケースも多いです。3日間自宅のトイレが使えなくなると考えると大変ですよね。
床下や壁の中を通る水道管から水漏れした場合は床や壁を破壊する必要も出てきます。目に見えない部分の水漏れなので、漏れている部分をピンポイントで見つけることは難しく、思った以上に広い範囲を壊すことになります。もちろん、水道管を修理したあとはその床や壁の修理も必要で、修理にかかる費用は高額なものになります。
水道管が凍結により破裂する原因
水道管が破裂する原理
水は凍ると膨張します。水道管の中で凍れば膨張に耐えきれず水道管がパンクするわけです。その後、氷が解ければ水漏れしてしまいます。
水は0℃で凍るので気温が0℃以下になれば水道管の中の水も凍る可能性が出てきます。ただ、外の気温が0℃になっても家の中にある水道管がすぐに凍ることはまずありません。
一般的に宅内の水道管の水が凍るのはマイナス4〜5℃くらいからです。屋外にある水道はもう少し高いマイナス2〜3℃でも凍ることがあります。
水道管が破裂しやすい条件
基本的に築年数が古く断熱性能が悪い住宅ほど危険です。
築年数が古ければ水道管も劣化し強度が落ちている可能性が高いです。また、隙間風があるような断熱性能の低い住宅では水道管も冷えやすいので凍りやすくなります。
屋外にある水道は建物内にある水道に比べて特に危険性が高いです。マンションなどでは共用廊下のメーターボックスに水道メーターが設置されていますが、この水道メーター付近で凍ってメーターのガラスが割れて水が漏れることもよくあります。
水道管の凍結による破裂の対策
水道から水を出しておく
凍結を防ぐには水道からちょっとだけ水を出しておく方法があります。水は流れていれば凍りにくいという性質を利用したものです。出す水の量は多いほど効果的ですが、気温がそれほど低くなければチョロチョロと出すだけでも効果があります。
水道凍結の対策としては一番手軽ですね。ただし、気温がどんどん下がってくると水を出していても凍ってしまうことがあります。
水道管の水を抜く
水がなければ凍ることはないですね。やり方は水道メーターの近くにある元栓を締めたあとに家の中の水道を開けておくだけです。
これで家の中の水道管が凍結したりそれで破裂することは絶対にありません。元栓の手前が凍結して破裂することはありますが、家の中で破裂するケースに比べて被害も小さくて済みます。
メーターの場所は建物によって違いますが、住宅のタイプ別にだいたい決まっています。
マンションであれば玄関前のパイプシャフトとかメーターボックスと呼ばれるところにあります。
戸建の場合は家の外の地面に埋まっているボックスの中にあります。
部屋数の少ないアパートなどではパイプシャフトにある場合も戸建のように地面に埋まっている場合もあります。
いずれの場合も他の人の家の元栓を間違えて締めてしまうと迷惑をかけることになるので注意しましょう。
凍結しそうな水道管を保温する
床下や壁の中の水道管は簡単にいじることはできませんが、屋外の水栓など凍結しそうなところが確認できる場合はその部分を保温して凍らないようにするという方法もありますね。
保温剤で覆うだけでも多少は凍結しにくくなりますが、凍結防止のヒーターなどもあるのでそういったものを活用すれば効果的ですね。
まとめ
水道管の凍結による破裂は寒い時期にはよく起こる住宅トラブルです。気温が下がるのはある程度予測できるので事前に対策をして被害が出ないように注意したいところですね。