僕はいまいち自制できない浪費家なので「節約ができる人はすごい」と日々思っております。
こまめに電気を消したり、節水して水道光熱費を節約する努力もその1つ。普段からちゃんとできる人はすごいです。省エネで環境問題にも貢献してます。
しかしですね。住宅の設備屋の立場から言うと、間違った節約法や危ない節約法もあったりします。
今回は、家庭の節水の定番であるトイレのタンクにペットボトルなどを入れる方法が実は危険だよって話です。
トイレのタンクにペットボトルを入れて節水
昔からある節水法で、水洗トイレの水が溜まっているタンクに水を入れたペットボトルを入れるって方法がありますよね。ペットボトル以外にもブロックだったりしますけど、とにかくタンクの中に何か入れて溜まる水の量を減らすって方法です。
タンク式の水洗トイレはレバーを引くとタンクに溜まっている水が一気に流れるわけです。なので、溜まる量を減らせば1回に流れる量が減って節約になるってわけですね。
どれくらい効果があるのか?
単純な話、2リットルペットボトルを1本タンクに入れたら、1回あたり約2リットルの節約になります。
昼間家にいないと考えても、朝晩でだいたい3回くらいは家のトイレに行くのではないでしょうか?すると1人あたり3回、1日6リットル、1ヶ月で180リットルの節水になります。
もちろん家族が増えれば効果も増えます。3人家族なら540リットル。4人家族なら720リットルも1ヶ月で節約できるのですごい量ですね。
これを金額にするといくらなのかということですね。水道料金の単価は地域や使った量で変動するので一概に言えませんが500リットル節水したとして500円~1,000円くらいといったところではないでしょうか。
2リットルペットボトルを1本タンクに入れたら毎月500円~1,000円の節約と考えるとやりたくなるのもわかりますね。
タンクにペットボトルなどを入れる方法は危険
トイレのタンクにペットボトルなどを入れる方法はすごく節水になる方法なのでやっている方も多いと思います。有名な方法ですしね。
でも、ホントはおすすめできる方法じゃないです。後々トラブルになる可能性があるんですね。
タンク内部の破損の原因に
まずタンクの中に異物をいれたら故障の原因になります。沈めたペットボトルを固定する方法はまずないので少しずつずれて中の部品に引っかかってしまったりします。
これによる故障ってたまにあるんですよ。あくまでたまになんですけど、故障の原因になるということは保証問題にもなります。
特に賃貸住宅の場合タンク内部の故障は大家持ちで修理するのが当たり前なんですけど、タンク内にペットボトルを入れていたということになると借主の責任で修理するということにもなりかねません。ちなみに僕の勤めている賃貸住宅管理会社の規定ではペットボトルが見つかった場合は自己負担で治してくださいと伝えることになっています。
タンク内部の部品はそれなりに長く住んでいれば壊れる物です。その度に故障の原因でもめたり場合によっては修理費を負担しなければいけないとなるとこれは大損ですよね。
水が流れっぱなしになることも
タンク内部の部品とひっかかって故障の原因になる可能性があると書きましたが、故障までいかなくてもひっかかった結果水が流れっぱなしで止まらないといったことも考えられます。
これは気が付けばすぐに対処できるでしょうけど、もし気が付くのが遅れると節水のつもりで大量に水を使ってしまう結果になります。
排水管が詰まる原因に
トイレのタンクにペットボトルなどを入れると排水管が詰まる原因になります。タンクにペットボトルなどを入れて流れる水の量を減らしたら排水管が詰まるトラブルになりやすいんですよ。
トイレから下水道までの各家庭の排水管は、ちゃんとトイレの排水が流れるように設計されているはずです。でも、その設計ではトイレのタンクの水の量も計算に入ってるんですよ。だから減らしたら流れが悪くなって詰まりやすくなるんです。
トイレの便器の時点で流れなければすぐにわかるのでいいんですけど、一見流れてるっぽくても排水管に少しずつ溜まってたりするんです。
もちろん結果として詰まらなかったって方も多いでしょうけど、それはあくまで結果論。素人判断は危険です。
排水管が詰まったら素人でなんとかできる人はほとんどいないと思います。業者さんに頼むわけですが、当然お金がかかります。高圧洗浄など掃除だけでなんとっかなっても、だいたい2〜3万くらいかかるのではないでしょうか。工事が必要になりもっとかかる可能性もあります。
もし詰まれば、しばらくトイレは使えないし、トイレの水が逆流してくるかもしれないし、マンションなら他の住民さんにも迷惑がかかるかもしれません。
タンクにペットボトルなどを入れるとかえってお金がかかる
タンクにペットボトルなどを入れる節水方法はタンクの故障や排水管の詰まりの原因になる可能性があるんですね。その場合は修理に余計なお金がかかってしまいます。
修理で余計なお金がかかってしまうようでは節約にはなりませんよね。本末転倒なのでやらない方が良いでしょうね。
それでも節水したいなら
それでも節水をしたいという方のために僕がおすすめできる節水の方法を紹介しておきます。
節水できるトイレにリフォーム
もっとも効果的なのは節水が可能なトイレへのリフォームです。お金はかかりますが数年スパンで見ればお得になるはず。
とはいえ数万~十数万くらいのお金はかかりますし、信頼できるリフォーム会社を選ばないとトラブルも多いという問題もあります。
専用の節水アイテムを使う
ペットボトルを入れるような方法ではなくて専用の節水アイテムを使うという方法もあります。こちらも流れる水の量を減らすのですが、ペットボトルのように単純に水の量を減らすのではなく、水が流れ切った後にちょろちょろと流れる水をカットするなど水圧を落とさずに節水できるように工夫されています。
価格も安価なので2~3ヶ月程度で元が取れるのではないでしょうか。ただし、トイレにの構造によって取り付けできるかどうか確認する必要がありますので気を付けてくださいね。
まとめ
というわけで、トイレのタンクにペットボトルなどを入れておく節水法は、タンクが故障したり排水管が詰まる原因になるのでやめたほうがいいですよって話でした。
ちなみに風呂の残り湯をバケツで流すなんて力技も聞きますが、これも水量が少なくなる原因なのでやめましょう。何回かに分けてたくさん流しても勢いが出ないので良くないです。
ちなみにメーカーさんも詰まるからペットボトル入れちゃダメだよって言ってます。