IHクッキングヒーターは火を使わないから安全というのは大間違い!火災のリスクは使い方の方が大きい

2019年2月16日暮らし

どうも!賃貸住宅の設計や管理をする仕事をしているきったんです。

某不動産系の会社でマンションの建築や修理などを仕事にしているのですが、その中でできれば遭遇したくない仕事がいくつかあります。特に嫌なのは孤独死と火災です。なぜかは言うまでも無いと思います。でも多くの住宅を管理していると必ず起こってしまうんですよね。

僕もこれまでなんどか火災現場の対応をしましたが、火を出した家の人も悲惨だし、炎症したり消火活動で被害を受けた人も悲惨です。火災保険に入っていれば済むというものでは無いですね。

住宅の火災の出火原因の上位にあるのが調理用のコンロからの火災です。そこで安全な熱源として火を使わないIHクッキングヒーターを採用する方も多いと思います。

特に住宅火災での死者の70%以上が65歳以上ということもあり、高齢者向けの住宅ではIHクッキングヒーターを使用するケースが多いです。僕も住宅設備の設計をするさいに、高齢者向けの物件ではIHクッキングヒーターを採用することが多いですしね。

火災

ただ、IHクッキングヒーターは火を使わないから安全というのは大間違いなんです。火災の発生リスクはガスコンロと比較しても決して少ないとは言えないのです。火を使わないからと言って油断せずに適切に使用することが大切なんですね。

IHクッキングヒーターは火を使わないから安全というのは大間違い!

安全装置の発達などによってガスコンロでの火災は少しずつですが減少傾向にあります。ところがIHクッキングヒーターでの火災はむしろ増えているんですね。

機器別火災発生数

上の画像は東京消防庁の報道発表資料に掲載されているものです。

表を見るとわかるとおりガステーブル等の火災発生件数は年々減っているのに対してIHクッキングヒーターの火災発生件数はどんどん増えています。

平成28年のデータで見てみるとガステーブル等が原因の火災は366件に対してIHクッキングヒーターは21件となっています。これだけをみるとIHクッキングヒーターの方が圧倒的に安全に見えます。

ただし、IHクッキングヒーターはガステーブル等に比べて普及率が低いことや、比較的新しい機器であるIHクッキングヒーターと違って、ガステーブル等は安全装置(Siセンサー)が義務化された2009年より前の機器も多くあることを考慮すると、最新の安全装置を搭載したガステーブルとIHクッキングヒーターでの火災発生率の差は思ったほど大きくは無いはずです。

実際にガステーブル等にSiセンサー搭載が義務付けられた2009年(平成20年)からガステーブル等の火災件数は激減し、平成19年の605件から平成28年の366件と半減しています。まだまだSiセンサーを搭載していないガステーブルを使用している家庭も多いことを考えると最新のガステーブルではかなり安全性が向上していることがわかります。

IHクッキングヒーターで起こる火災

天ぷら油火災はIHクッキングヒーターでも起きる

天ぷら

調理用のコンロからの出火で昔から多いのが天ぷら油火災です。油を加熱しすぎて火がでるんですね。

IHクッキングヒーターでは自動的に温度を一定に保ってくれるとか、熱くなりすぎたら自動的にOFFになると思っている方も多いのですが、実際には天ぷら油火災はIHクッキングヒーターでも起きます。

IHクッキングヒーターはガス火よりも早く油の温度が上がるので安全装置が間に合わずに火が出てしまうことがあるんです。特に油の量が少なかったりIH専用の鍋でなかったりすると加熱が早くなり発火しやすくなります。

また、IHクッキングヒーターに揚げ物専用のモードがあるのにそれ以外のモードで揚げ物をしてしまったために安全装置が適切に働かないケースもあります。

スイッチの切り忘れや間違ってスイッチを入れてしまうことがある

コンロの火

ガステーブルと違ってIHクッキングヒーターは火が出ません。ガステーブルであれば少し離れた場所からでも火が点いていることが見た目でわかります。でもIHクッキングヒーターはパッと見では加熱されているかどうかわからないですよね。

また、火で直接加熱するガステーブルと違ってIHクッキングヒーターの加熱原理は直感的ではないことや、ガステーブルを使い慣れた人がIHクッキングヒーターに移行して使い慣れないことなどから使い方がわからずに間違った使い方をしてしまうことがあります。

そのためスイッチが入っていることを忘れたり、間違ってスイッチを入れてしまって空焚きの状態でも気が付かないケースがあるんですね。

一番多い火災原因はスイッチを入れたまま放置すること

空焚き

IHクッキングヒーターでの火災原因で一番多い火災原因はスイッチを入れたまま放置することです。スイッチを入れたままその場を離れてしまい忘れてしまうようなケースですね。

加熱状態で放置すると危険なのは当たり前です。これはガスでも電気でも同じです。結局は熱源の種類よりも使い方の方が重要性が高く、IHクッキングヒーターでも使い方を間違った場合には同じくらい危険だということですね。

高齢者向けの住宅でIHクッキングヒーターを採用するのはうっかりして放置してしまったり、使い方を間違っても火災にならないだろうという期待からではないかと思うのですが、そういう意味ではガステーブルに比べて画期的なほど安全とは言えないわけですね。

まとめ

IHクッキングヒーター火を使わないから安全というイメージがありますが実際には年々IHクッキングヒーターが火元の火災は増えています。かえって安全という思い込みから油断してしまうと怖いですね。

実際には火災の中でも死亡率が高い着衣着火が起こりにくいことなどIHクッキングヒーターの方が安全と言えるポイントもあるのですが、使い方を誤ると火災の原因になるのはガスと同じなので使い方には気をつけたいですね。