物欲に負けた日

オススメのガジェットや文具のレビュー、育児や仕事、日々のいろいろを書いています。

「Coinhive(コインハイブ)」をWebサイトに埋め込んで閲覧者の同意無しにマイニングを行うのは違法だと思う

どうも!仮想通貨の未来には期待しているきったんです。

「Coinhive(コインハイブ)」 を自分の運営するサイトに埋め込んで閲覧者の同意無しにマイニングを行ったとして逮捕者が出たことが話題になっていますね。ネット上には「Coinhiveに違法性はない」と、逮捕者を擁護する声や警察批判が溢れています。はてなブックマークでも関連する記事が上位になっているので読んだ方も多いのではないでしょうか?

僕は仮想通貨の持つ可能性には基本的に好意的というか期待している立場なんです。ただ、今回のCoinhiveの件に関しては違法といわれてもしかたないというか、個人的には「違法性あるよね」と思ってるんですね。警察の行動はちょっと行き過ぎじゃないかと思いますけど。。。

もちろん本当に違法かを判断するのは司法の権限であり、現時点ではまったく答えの出ていない問題です。

doocts.com

複数の逮捕者がいる中で逮捕の状況などを公開し、今後本当に違法なのかを裁判で争うとされている方もいて、その裁判できちんとした答えが出るでしょう。

仮想通貨マイニング

というわけで、この記事は弁護士でも何でもない僕が今回のCoinhiveの件で思ったことを書くだけの記事でございます。

Coinhiveと逮捕の経緯

マイニングとはなにか?

仮想通貨というのは実在はしないデータです。そのデータを使った取引やデータベースの維持には当然コンピューターによる処理が必要で、その処理に必要なリソースを提供するのがマイニングです。リソースを提供した見返りに少量の仮想通貨を得ることができます。

イメージとしては他の仮想通貨利用者の取引を仲介してあげると手数料が貰えるという感じでしょうか。あくまでイメージですけどね。

自分のPCにマイニング用のソフトウェアをインストールして起動しておくだけで仮想通貨が貰えるってわけですが、それなりに真剣に取り組まないとまとまった金額にはならないと思います。

Coinhiveとはなにか?

今回問題になっているCoinhiveとは特定のコードをWEBサイトに埋め込むことでサイトにアクセスしたPCでマイニングが行われるサービスです。マイニングで得られた仮想通貨はCoinhiveが手数料を引いて残りはサイトの運営者に支払われる仕組みです。

Coinhiveの提供しているマイニング用のコードにも種類があり、サイトにアクセスした閲覧者がスタートボタンをクリックしてからマイニングを始めるものもあれば、アクセスしたらバックグラウンドで勝手にマイニングが始まり閲覧者にはマイニングがなされていることがわからないものもあります。

Coinhiveの何が問題とされたのか?

Coinhiveの使用でWEBサイト運営者が逮捕されたことについてはまだ司法の判断はなされていませんが、警察が逮捕にまで踏み切ったのはそれなりの判断があったということですね。

Coinhiveの何が問題とされたのか?警視庁、警察庁とも、個別の逮捕に関して記者会見を開いたりといったことはしていないようですが、関連しそうな情報から推察することはできます。

冒頭で紹介した逮捕された方のサイトによると、容疑は「不正指令電磁的記録 取得・保管罪」というもののようです。

第十九章の二 不正指令電磁的記録に関する罪

(不正指令電磁的記録作成等)

第百六十八条の二 正当な理由がないのに、人の電子計算機における実行の用に供する目的で、次に掲げる電磁的記録その他の記録を作成し、又は提供した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

一 人が電子計算機を使用するに際してその意図に沿うべき動作をさせず、又はその意図に反する動作をさせるべき不正な指令を与える電磁的記録

二 前号に掲げるもののほか、同号の不正な指令を記述した電磁的記録その他の記録

2 正当な理由がないのに、前項第一号に掲げる電磁的記録を人の電子計算機における実行の用に供した者も、同項と同様とする。

3 前項の罪の未遂は、罰する。

(不正指令電磁的記録取得等)

第百六十八条の三 正当な理由がないのに、前条第一項の目的で、同項各号に掲げる電磁的記録その他の記録を取得し、又は保管した者は、二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

上は刑法の関係する部分の抜粋です。ざっくりまとめると「他人のコンピューターで本人の同意なくプログラムを動かしてはいけませんよ」ということですね。

www.npa.go.jp

警視庁でも直接的に逮捕に関するコメントは出していませんが、上のような注意喚起をしていて、内容を見るに「サイトの閲覧者に明示しないで勝手にマイニングしたら犯罪になる可能性がある」ということですね。

Coinhiveや使用していたサイト運営者に対する擁護とそれに対する僕の反論

ネット上ではCoinhiveや使用していたサイト運営者に対する擁護の声が強いように感じます。

僕も今回の警察の行動は強行過ぎたのではないかと思います。先に注意喚起があってから逮捕という流れでも良かったでしょうし、警告なしにいきなり逮捕というのは厳しすぎる対処ではないでしょうか。

ただ、対応の厳しさは置いておいて個人的には閲覧者にわからないようにマイニングを行うのは違法ではないのかという考え方です。そこで僕がなぜ閲覧者の同意無しにマイニングを行うのは違法だと思うのかを書いてみます。もちろんこれは僕の個人的な解釈でしかありませんけども。

違法性の根拠が示されていない

今回のCoinhiveをWEBサイトに設置していた運営者の逮捕では違法性の根拠が示されていないという批判があります。しかし、なんの罪に当たるかを示さずに逮捕状を取るのは無理でしょう。逮捕された方の情報では容疑は「不正指令電磁的記録 取得・保管罪」と示されています。

また、警視庁が犯罪となる可能性があると表現したことに関して「可能性では困る、はっきりしろ」という声もあるようですが、日本ではある行為が犯罪かどうかを判断するのは裁判所の権限です。罪状などによっては検察が略式手続で罰金等を言い渡すこともありますが、いずれにしても警察で判断することは不可能です。

これは日本が近代法治国家の体をなすための大切なルールであり、批判は的外れです。それとも警察が裁判を経ないで勝手に犯罪かどうかを決めつけられるほうがいいのでしょうか?

判断の基準が曖昧である

何が犯罪になるのか判断の基準が曖昧だという批判も多いようです。

これについても判断の基準を示すのは裁判所ですから警察に対して言うことではないと考えますし、そもそも基準というのは明確にする努力は必要でも誰でも100%わかるようにするのは不可能です。どうしても解釈の余地は生まれます。それに対してどう判断していくかです。

自身が運営するウェブサイトに設置する場合であっても、マイニングツールを設置していることを閲覧者に対して明示せずにマイニングツールを設置した場合、犯罪になる可能性があります。

上は警視庁の注意喚起からの抜粋ですが、個人的には「明示の基準はなにか?」というポイントはあるもののさほど曖昧とは思えません。

そもそも今回逮捕された方々のサイトでは閲覧者にまったく何の表示もしないでマイニングが行われてたか、勝手にマイニングが開始した後に遅れて表示が出る仕組みだったようですので、明示の基準で争うようなレベルの話ではないですね。

閲覧者の意図しない動作なら広告もNGではないのか?

はてなブックマークなどを見ていると「閲覧者の意図しない動作なら広告もNG」だとか「動画広告を取り締まれ」という声が多いです。しかし、Webサイトにアクセスした時点でユーザーはそのサイトの内容を表示することには当然に同意しているでしょう。その内容が気に入らないというのは勝手ですがマイニングとは全くの別問題です。

雑誌を買ったら内容がおもしろくなかったとか広告の比率が多くて腹が立ったとしてもそれが犯罪になるはずもなく、サイトでもそれは同じでしょう。もちろん故意に読者を騙して利益を上げるようなことをすれば詐欺罪などが成り立つ可能性はありますけどね。

JavaScriptなどの使用もアクセス解析もNGではないのか?

JavaScriptなどブラウザ上で動くプログラムはすべてダメではないかというのも広告と同じでサイトの内容を表示する、サイトのサービスを提供する範囲であれば問題はないでしょう。でも、バックグラウンドで閲覧者に見える、コンテンツを提供する要素がないものは基本的にはNGでしょう。

例えば「ナビゲーションの画像切り替えにJavaScriptが仕込まれており、マウスを重ねると画像が切り替わる」といったものはサイトの表現の1つであり全く問題ないと思います。

するとアクセス解析やヒートマップはどうなのか?という話になりますが、これについては閲覧者が同意しているサイトの表示に付随する機能として許容される範囲ではないでしょうか。若干グレーな気もしますが、慣習的にも違法とされることはないでしょうね。

「Coinhive(コインハイブ)」をWebサイトに埋め込んで閲覧者の同意無しにマイニングを行うのは違法だと思う

今回逮捕者が出るに至ったCoinhiveをWebサイトに埋め込んで閲覧者の同意無しにマイニングを行う行為はどう考えてもサイトにアクセスした閲覧者の同意をとったとは言えませんし、広告などと比べてウザいとかウザくないとかといった比較をする問題でもないと思います。

Coinhiveはどう考えてもサイトのコンテンツを表示するという目的と関係がなく、なんの明示もない場合は閲覧者の同意を得ていないのは明らかです。これを広告やサイトの表現方法の1つとして用いられるJavaScriptなどと同列に扱うのは無理があると思います。

サイトにアクセスしてきたPCにこっそりと司令を送って勝手にマイニングに使用していたという行為に対して違法性を疑われるのはある意味当然ではないかと思います。

まとめ

ネットでは用語の声も多いですが、僕個人は「Coinhive(コインハイブ)」をWebサイトに埋め込んで閲覧者の同意無しにマイニングを行うのは違法だと思います。

どうも、ネット上では新しい技術に関しては昔から「技術無罪」な感じがします。昔Winnyってファイル共有ソフトの開発者が逮捕されたときも「新しい技術を作った人を逮捕するな」という雰囲気がありましたが、僕はファイル共有ソフトを違法に使っているのが明らかなユーザーが集まっている2ちゃんねるで公開した時点でアウトだと思ってました。もちろん技術に罪はありませんが、使い方が悪いんですよね。

ただ、今回のCoinhive件はそんなに悪質なものでもなく技術的な好奇心から試してみた人も多そうですし、警察はちょっと厳しい対応過ぎたのではかいかとは思います。先に警告してやめなかった人を逮捕で良かったんじゃないかなぁ。